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〜ビーズ:人類最古のアクセサリー〜
アフリカのアクセサリーと聞いてたいていの人がまず思い浮かべるのは色とりどりのビーズを使ったカラフルなアクセサリーだろう。数万年前、人類が発明した最初のアクセサリー(装身具)は、木の実や骨や角、貝殻などを削り、穴を開けたビーズであったと考えられている。以来人類はおよそ思いつく限りの材料を使い様々な色、形のビーズを作り続けてきた。初期のビーズは植物の種子、木材、骨、角、貝殻、卵殻など加工しやすい(穴を開けやすい)物が使われていた。少し時代が下るとメノウ、琥珀、サンゴなどの貴石ビーズ、次いで金属のビーズが作られ始め、おそらくは4000〜3500年ほど前からガラス製ビーズが作られ始めたと考えらている。
現在世界のビーズの主流を占めるグラス(ガラス)ビーズは製造に高度な技術が必要であったため世界の限られた地域でのみ製造されてきた。少数の例外を除きアフリカではグラスビーズの製造はおこなわれず、そのためグラスビーズは非常に貴重な交易品として、インド洋交易を通じて、あるいはサハラ縦断交易を通じてサハラ以南のアフリカにもたらされた。非常に高価な輸入品であったグラスビーズはタカラガイとともに貨幣として流通し、また王、貴族、聖職者などの特権階級の威信財として用いられ、シードビーズ(極小の管引きビーズ)を使った工芸品が発達した。
ヨーロッパとの海上交易が盛んになった17C頃ヴェネチア(現イタリア)産のトンボ玉が西アフリカにもたらされ始めた。豊かな色彩と模様を持つこのガラス玉の美しさはアフリカの権力者、有力者たちを虜にし、ヨーロッパの商人はヴェネチア玉と引き換えに金や香辛料、象牙を、やがては奴隷を手に入れた(後にオランダ玉、ボヘミア玉なども取引に用いられた)。 色とりどりのビーズアクセサリーで
着飾ったフルベの少女
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現在のアフリカでも実に様々な色・形状・材質のビーズが用いられている。西アフリカを中心に大雑把にごく分類してみると次のようになる。
材質(ガラス以外)◎はアフリカでも生産されていることを示す
・骨・角類 ◎ |
大型動物の骨(ウシ、ラクダなど)を加工したものから小動物(爬虫類など)の背骨をそのまま使ったものまで。形状は多様だが管状のものが多い。象牙、いのししの牙なども用いられる。
例:)
他多数
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・草木類・種子類 ◎ |
様々な種類の硬質の種子(ヤシの実などが代表的)を利用したもの。種子の殻を加工したものは円盤状のものが多い。木材(黒檀など)を加工したビーズ、竹などの中空素材を利用したビーズなど。
例:)
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・貝殻、卵殻 ◎ |
大型の貝、卵(ダチョウなど)の殻を利用したもの。円盤状に加工されるものが多い。子安貝(タカラガイ)は背中を削り取った穴にひもを通して使うことが多い。
例:)
他多数
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・貴石類 ◎ |
メノウ・玉髄・碧玉など。
例:)
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・金属 ◎
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真鍮・青銅・銀などの非鉄金属が中心。
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・テラコッタ ◎ |
粘土から作った素焼きのビーズ。1,2o程度の小粒のものが多く作られている。
例:)
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・樹脂製 |
様々な形状・色・模様のビーズを合成樹脂で再現・模造したもの。
例:)
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・その他 |
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グラス(ガラス)ビーズ◎はアフリカでも生産されていることを示す
・シードビーズ |
極小の管引きビーズ。古くはインドで独占的に生産されていたが15C頃からはヴェネチア、17C頃からはボヘミア(現チェコ)でも作られるようになった。
例:)
他多数
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・トンボ玉 |
色模様つきのガラスビーズ。4000年近く前から世界各地で生産されてきたがサハラ以南のアフリカでは製造されなかった。西アフリカには17C以降ヨーロッパ産のトンボ玉が交易品として大量に持ち込まれそれらのトンボ玉はアフリカ玉と総称される(ヴェネチア、オランダ、ボヘミアなどが主な産地)。現在ではアフリカでも模造品がつくられている。
例:)
他多数
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・再生トンボ玉
・再生グラスビーズ ◎ |
ヨーロッパなどから持ち込まれたグラスビーズ、ガラス製品をリサイクルして作ったビーズ。ガラスを粉末状にして粘土型に詰めたものを火にかけてつくる。19C頃に始まり西アフリカ(特にギニア湾沿岸部)で多くつくられている。
例:)
他多数
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・その他 |
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グラスビーズは少数の例外(再生ビーズ。またそれ以前にも一部の地域でグラスビーズを生産していたらしい)を除いてアフリカでは生産されなかった。非常に高価であり、貨幣としても使用されていたビーズを使ったアクセサリー・工芸品を身に着け、所有することはステータスの象徴でもあり、ビーズまたはビーズ細工は婚資としても用いられることもあった。
グラスビーズの製法には芯巻き(主にトンボ玉に用いられる)、管引き(シードビーズを初めとする多くのビーズがこの方法でつくられている)、型押し(ボヘミアンビーズに多く用いられる)、カットビーズなどがあリ、実に様々な形、色、模様のグラスビーズがつくられている。
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〜アフリカのビーズ工芸〜
アフリカのビーズ工芸といえばまず思い浮かぶのがカラフルなビーズアクセサリーだろう。骨、木の実などの最古のビーズ素材から合成樹脂という現代技術の産物まであらゆる素材を使ってつくった様々な形・色のビーズアクセサリーはアフリカ人の黒い肌に良く映え、まさにアフリカを代表するアクセサリーといえる。アフリカでは(世界の多くの地域と同様に)ビーズは神秘的・魔術的な力を持つと信じられてきた。そのため仮面や彫像、呪物など超自然的な力に関わるものに取り付けられることも多くおこなわれてきたし、ビーズを使ったアクセサリーの中にも護符・お守り的な効果を持つと考えられているものも多くある。
アクセサリー以外のビーズ工芸としてはシードビーズを模様を描くようにして編みこんだビーズ細工が上げられる。様々な色のシードビーズを複雑な文様を描くようにして編みこんでつくった王や貴族の衣服、帽子。そうやって編みこんだビーズ細工で表面をおおったいす、仮面、彫像、ひょうたんなどの工芸品が西アフリカではナイジェリア(ヨルバ)、カメルーンを中心として作られてきた。高価な輸入品であるビーズを ベナンの市場にて。色とりどりのビーズアクセサリーが並んでいる。
ふんだんに使ったそれらの工芸品は王や貴族、聖職者の権威と富を示す威信財として用いられてきた。
西アフリカでは比較的大粒のビーズ、トンボ玉が好まれていたのに対し東・南部アフリカでは小粒のシードビーズが好まれ、シードビーズを用いたビーズ細工が発展した。マサイのビーズアクセサリー、ビーズで飾り立てたひょうたんなどもよく知られているが、南部アフリカの諸民族、ズールー、ンデベレ、コーサなどのつくるシードビーズアクセサリー、工芸品はアフリカを代表するシードビーズ工芸として広く世界に知られている。現在ではアフリカ各地で伝統にこだわらないモダンなビーズ工芸品も数多く作られている。
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ビーズ・トンボ玉・貝・その他
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〜アフリカンアクセサリーの真髄〜 |
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〜アフリカを代表するアクセサリーであるビーズアクセサリー。
アフリカの人々の暮らしを鮮やかに彩るビーズの世界をお楽しみ下さい〜
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ビーズアクセサリー特集は2009年6月末日をもって終了しました。
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