わ |
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・ワジ |
乾燥地帯に存在する涸れ川。ワディとも表記する。十分な量の降水があった雨期には水の流れる川となる。もともとはアラビア語で谷を意味する言葉。
サハラなどアフリカの乾燥地帯には無数のワジが存在するが、大きなものとしてはダロル=ボッソ(ニジェール河支流)、サウラ=ワジ(アトラス山脈からサハラへ)などがある。
ワジには普段水が無いが、伏流水として地下に水が流れている場合もあり、ワジ沿いには伏流水による湧き水、井戸などに依存したオアシスが点在していることも多い。
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・ワダイ王国 |
現チャド中部・東部に存在した王国。14C頃から同地域に存在した非ムスリム系王国をイスラム聖職者アブド=アル・カリム(アブドル=カリーム)が打ち倒して建国された(1635年)。
もともと西方のカネム=ボルヌー帝国と東方のダルフール王国を結ぶ交易路の要衝に位置していたワダイ王国はエジプトなどのアラブ世界と中央/西スーダンの交易網の仲介者として大いに繁栄した。さらに国土の北方とキレナイカ(現リビア東部)を結ぶ交易路が開発されてからはさらに繁栄し、北方から輸入した銃火器で武装した強力な軍事力も備えていた。
19C末にフランス軍が同王国に侵攻。頑強に抵抗したものの1912年にワダイ王国は滅亡した。
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・ワニ |
ワニ目に属する大型爬虫類の総称。アリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科の三科が存在するがアフリカにはクロコダイル科のみが棲息する。ナイル河流域およびサハラ以南のほぼ全土に棲息し、いくつかの下位分類に分かれている。
その巨体や強さから古代エジプトをはじめさまざまな社会で神格化され、祖先神などとして扱われてきたため、仮面をはじめとする美術・工芸の題材になることも多い。
革目的の乱獲、環境破壊、食肉目的の捕獲などにより個体数が減り続けている。
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・ワラタ |
現モーリタニア南東部にある小さなオアシス。現在は小さな町であるがかつてはサハラ縦断交易(西ルート)の南の終点として大いに繁栄していた。
ワラタの町を最初につくったのはマンデ系の人々であったと考えられている(10C頃?)。ガーナ王国の支配下に置かれたワラタはモロッコ地方・サハラの岩塩鉱タガザとガーナ王国を結ぶ交易路の南の拠点として繁栄していた。ガーナ王国の滅亡後ガーナの首都クンビ=サレーが非ムスリムのテクルール王国に占領され、イスラム教徒の交易者たちがワラタに大挙して移住したため、ワラタは交易都市としてさらに発展を遂げることになる。
13C末ごろにはワラタはマリ帝国の支配下に入り15C後半にはソンガイ帝国の支配を受けることとなった。14C中頃からはサハラ縦断交易のサハラ以南側の中心地が徐々にとトンブクトゥへと移っていったため、ワラタは没落し始め、現在は沙漠の中の小さなオアシスの町となっている。
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・ワンガラ |
→デュラ |
を |
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ん |
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・ンキシ |
Nkisi(単数形。複数形はMinkisi)とはバコンゴやヨンベ、バソンゲの作る呪術用彫像である。多くは人をかたどった物であるがたまに動物像のンキシもある。全身に釘や金属片を打ち付けてあるのが最大の特徴であり、他にも鏡・動物の爪、骨、鳥の羽などで飾られていることも多いが、それらは全てンキシの呪術的パワーを高めるための呪物と考えられている。
ンキシは病気や悪霊、不幸から身を守るために用いられることもあれば、誰かに呪いをかけるといった相反する目的のために用いられることもある。
ンキシは目的や形状によって主にNkonde、Npezo、Na Moganga、Mbulaの4つのタイプに分類できる。
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・ンゴニ |
ザンビア、マラウィ、モザンビーク、タンザニアにまたがった地域に居住するバントゥー系民族であり、その多くはマラウィに居住し同国の人口の10%ほどを占める。19C初頭〜中ごろにかけて原住地(現南ア共和国西部)を追われたズールー人の一派が北へ移住し現在のンゴニ民族が形成された。
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・ンゴロ=
ディアラ |
現マリ共和国中部の都市セグーを中心に18C初頭から19C中頃にかけて栄えたバンバラ人の王国セグー王国中興の祖。在位1766年〜1795年。
セグー王国の建国者(もしくは再興者)ママリ=クリバリの軍事力強化政策のもと権力を握った軍人階級はママリの死後クーデターを繰り返し、セグー王国は11年の間に4人もの王が殺されるという混乱状態に陥った。
解放奴隷であったンゴロ=ディアラは1766年に王位を奪取しこの混乱を収拾した。彼の統治のもと軍は規律を取り戻し、王国は繁栄し、王都セグーは地域屈指の大都市となった。
ンゴロ王の死後、1796年に王国の都セグーを訪れたイギリスの探検家マンゴ=パークはセグーの繁栄を驚きをもって讃え記している。
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・ンゼマ |
コートジボワール東部からガーナ共和国西部にかけての地域(かつてはデンキイラ王国の領土であり、後にはアシャンティ王国の版図となった地域)を主な居住地とするアカン系民族。ガーナ初代大統領クワメ=ンクルマ(エンクルマ)はこの民族の出身である。
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・ンセンガ |
ザンビアからジンバブウェ、モザンビーク、マラウィにかけて居住するバントゥー系系民族。ザンビアでは人口の5%ほどを占め、中部アフリカ方面から移住してきたと考えられている。
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・ンデベレ |
ジンバブウェ南部を中心に居住する同国第二の人口を持つ民族。19C初頭にズールー王国から分かれ同地域にンデベレ王国を建国したが19C末にイギリス領ローデシアに併合された。
ビーズ細工の盛んな南部アフリカにあっても、ンデベレのビーズ細工は最高の評価を受けている。シードビーズをふんだんに使い、幾何文様をあみこんだンデベレのエプロン、ビーズでできた服などが特に有名である。
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・ンバカ |
コンゴ民主共和国北東部コンゴ(ザイール)河とウバンギ川のあいだあたりを主な居住地とする。
その言語はアダマワ-ウバンギ語派に分類される。
伝統的生業形態は農耕。固有の信仰を持ち、(秘密)結社組織も持っている。
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