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ギニア湾諸国特集は2009年10月末日をもって終了しました




二千q以上にも及ぶ沿岸をもつ世界最大級の湾「ギニア湾」。


熱帯の森に覆われた長大な沿岸地域には様々な民族が暮らし、幾多の王朝が興亡を繰り返してきた。


ギニア湾各地に実を結んだ熱帯アフリカの生命力に満ち溢れた工芸文化の世界をお楽しみください。
ケープコースト城地下牢内のやしろにて儀式を執り行う司祭。ガーナ共和国 過去の特集を見る>>

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*本項で特に断り無くギニアといった場合は現ギニア共和国ではなく地域名としてのギニアをあらわす

ガーナ:ギニア湾に面した港町ケープコースト〜ギニア湾とは〜

 アフリカ西部から中部にかけて大西洋がアフリカ大陸に大きく湾入している部分(逆に言えばアフリカ西部から中部にかけてアフリカ大陸が多きくくびれている部分)のことをギニア湾という。ギニア湾の範囲の地理学上の定義はリベリアのパルマ岬からガボンのロペス岬までとなり、ニジェール河河口デルタを境に西をベニン湾、東をボニー湾と呼ぶこともある。ギニア湾に面する国は西からリベリアコートジボアールガーナトーゴベナンナイジェリアカメルーン赤道ギニアガボンサントメ・プリンシペ(ギニア湾に浮かぶ島国)の10ヶ国であり、国名にギニアをのつくギニア共和国ギニア=ビサウは含まれない。

 なおギニア湾東部のナイジェリア沿岸、ガボン沿岸は豊富な
      ギニア湾に面した港町ケープコースト(ガーナ)
石油埋蔵量で知られ、両国はサハラ以南アフリカ屈指の産油国となっている。


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〜ギニアとは〜
 地理、歴史学で言うところのギニア(地域名)は、サハラ以南の乾燥地帯を漠然とスーダン(≒サヘル)と呼ぶのに対して、漠然とサヘルの南の、西アフリカ・ギニア湾岸一帯およびその内陸の熱帯雨林、森林地帯地方をさす言葉であり、現国名で言うと西はギニア=ビサウあたりから東はカメルーン西部あたりまでの熱帯性気候の地域をギニアと呼ぶ。ギニア(地域名)に含まれる国は西からギニア=ビサウギニア共和国シエラレオネリベリアコートジボアールガーナトーゴベナンナイジェリアカメルーン西部となる(いくつかの国の北部はスーダン≒サヘル地域となる)。


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〜ギニアの歴史〜
 サハラ縦断交易を通じて古くから文字社会(この場合は主にアラブ世界)と直接の接触があったため、いくらかの文献資料が残されているスーダン地方と違い、ギニア地方の歴史に関しては15Cのヨーロッパ人到来以前の文字資料がほとんど無いため、また高温多湿の気候により遺物が残りにくたいめ、それ以前の歴史についてははっきりとしないことが多い。とはいえこれは別にギニアが外界から孤立した地域であったということは意味しない。

 事実ギニア地方は金の産地として、象牙の産地として、またサヘルの人々の生活に欠かせない嗜好品コーラナッツの産地として古くから西アフリカの交易網の重要な一部としガーナ:アシャンティ王国の都クマシにてて機能し、北のサヘル地域と、さらにサヘル地域を通じてひいてはアラブ・地中海世界と結びついていた。古代ガーナマリ帝国ソンガイ帝国の繁栄を支えた塩金交易(サハラ縦断交易)のサハラの南からの主要輸出品である金。この金をサヘルの大帝国に供給し続けたのがギニア地方であり現国名でいえばギニア共和国ガーナ共和国などであった。サハラ縦断交易、またヨーロッパ人到来以後は大西洋三角貿易を通じ地中海世界、ヨーロッパ世界に供給され続けた膨大な量のギニアの黄金はヨーロッパが金本位制度に移行する大きな原因となったとまでいわれている(イギリスの金貨「ギニー」はギニアで取れた金で鋳造されたためその名前が付いた)。

 またギニア地方の歴史が不明な点が多い別の理由として、移動の容易な乾燥・半乾燥の草原地帯が広がり、早くから大規模な王国が発達したサヘル地方と違い、森林に覆われていたギニア地方では移動も容易ではなく、大規模な王国が発達しにくかったことが挙げられ        アシャンティ王国の都クマシ(ガーナ)にて
る。事実西部ギニア地方では現ギニア共和国(マリ帝国・サモリ帝国発祥の地であり、北部の山岳地帯フータ=ジャロンではいくつもの王国が興亡した)を除きほとんど王国というものは発達しなかった。

 中部ギニアでは現ガーナ沿岸部を中心にいくつかの都市国家が発達した。17C末には現ガーナ内陸部に興ったアシャンティ連合王国が中部ギニア一の強国となり、領内で採れる金の経済力を背景に大いに繁栄した。他にもバウレアブロン、アニン等が王国を興したがアシャンティを含めいずれの民族もアカン系である。

 ギニア地方を東部・中部・西部に分けてみていくと一番詳しくわかっているのが東部ギニアの歴史である。おそらくはアフリカ最古の青銅器文明(アフリカでは器時代が青銅器時代に大きく先行していた)と考えられているイボ=ウクウ文化イフェをはじめとするヨルバ諸国ベニン王国ヌペジュクン王国(以上現ナイジェリア)、現ベナンダホメー王国などアフリカ史を彩る幾多の王国が興亡を繰り返した。

 ギニア地方のいずれの国も15Cに始まるヨーロッパ人来航とそれに続く人類史上最悪規模の奴隷貿易の影響を受け(奴隷貿易によって栄えたアフリカ人王国もあるが)、その後のアフリカ分割の時代にはフランス、イギリス、ドイツ、ポルトガルによって植民地化されていった(リベリアのみ植民地化されなかったがこの国は在来アフリカ人の国ではなく、アメリカなどから入植した解放奴隷の建設した国)。第二次大戦後、1957年のガーナ共和国独立を皮切りにほとんどの国が1960年代に独立。最後まで植民地を維持したポルトガルの革命をうけ1974年にギニア=ビサウが、1975年にサントメ・プリンシペギニア諸国・ギニア湾諸国として最後に独立した国となった。


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*以下の項では主にギニア地方の工芸について記述していますが、今月(2009年10月)の割引対象となるのはギニア湾諸国(ベナンを除くガーナガボンカメルーン・コートジボアールトーゴナイジェリアの6カ国)の商品です。いくつかの国の北部はスーダン地方に属していることもあり、この項に記述されているギニア地方の工芸品ではないものもありますがご了承ください。

〜ギニアの工芸・文化〜

 ギニア地方の工芸文化といっても西はギニア=ビサウから東はカメルーン西部までに及ぶ広大な地域の工芸を一口でまとめることは不可能に近い。とはいえ地域ごとにいくつベニン王国・イフェの青銅彫刻の様式を模したレプリカかの共通した特徴を見出すことも可能である。木彫に関して言うならば、ギニアの北に位置するスーダン地方の木彫が直線的で抽象的な造形、堅牢な印象を与える作品が多いのに対し、ギニア地方の彫刻はは曲線を多用した比較的写実的な作品が多く見られる(比較的多いというだけで全てがそうと言うわけではない。ギニア共和国バガナイジェリアイボなど非常に抽象的な彫刻を作る民族もまた多く存在する)。また中部から頭部にかけての諸民族(アシャンティエウェフォンヨルバ)などの彫刻は白木作りとでも言おうか木を燻さない(黒くしない)、派手な彩色を施す(特に制作年代の新しいもの)、など一風変わった特徴を持っていることが多い。

 ギニア最東部ナイジェリア東部からカメルーン西部にかけての地域は木彫文化で言えばギニアではなく、ザンビア北西部からコンゴガボンを通りカメルーン‐ナイジェリア国境地帯まで広がる「ハート型の顔」文化圏に属する。これは同地域(だけでなく中部・東部・南部      イフェ・ベニン王国などのブロンズ彫刻のレプリカ
アフリカ一帯)に広がるバントゥー系諸民族の故地がこのナイジェリア東部からカメルーン西部にかけての地域と推定されるのと無関係ではないだろう。

 また東部ギニアにに発達した絶対王政社会(ダホメー王国‐フォン、イフェをはじめとするヨルバ諸国ベニン王国エド、など)では宮廷美術が発達し、特にイフェの青銅像(アフリカ美術史上最高傑作とも評価されている)、テラコッタ像、象牙彫刻、ベニン王国のブロンズ彫刻などは、アフリカ美術の中でも非常に知られており、ベニン、イフェのブロンズ像には状態のいいものなら億の値が付くことも珍しくない。西・中部ギニアでは絶対王政が存在しなかったため工芸文化はもっぱら民間の需要(伝統的地域共同体の祭礼・儀式のため。ま
たは一族の祖霊像、呪術像などの比較的個人的な必要)によって発達した。

 工芸に関する共通点としては中部ギニアはガーナからベナン、カメルーン、コンゴにかけてアップリケを作る民族が多く住むことがあげられる。アップリケはもともと、バクバ人が作るアップリケを施したラフィア布のように、ラフィア布を柔トーゴ:首都ロメの土産物屋さんらかくするためにでついたり砧打ちをしたときにできた穴をふさぐために発達したと考えられている。そのためかつてラフィア布を作っていた地域にアップリケの伝統が残されていると考えられている。染め布織り布よりも自由な色使いとデザインが可能で、それぞれの民族の宗教、歴史、物語などをあらわしたアップリケ布が作られている(特にガーナのアサフォ軍旗‐ファンティ人、ベナンはフォン人のアップリケが有名)。

 ギニア地方の工芸文化の中でよく知られたものを東から列挙していくと、バガの木彫(ギニア共和国ニンバ像、蛇の像が有名)、メンデの木彫(シエラレオネ)、ダンの木彫(リベリアコートジボアール。彫刻を施したスプーンが特に知られている)、ヤウレバウレグロの木彫(コートジボアール。仮面が有名)、アシャンティ(ガーナアクワバをはじめとする木彫、金工芸、ケンテ布、さまざまな意味を持つ文様を施した各種工芸品)、エウェのケンテ布(ガーナ・トーゴ)、フォン(ベナン。木彫、ヴードゥー関連の工芸品、ひょうたん工芸、アップリケ、さ
        トーゴの首都ロメの土産物屋さん           まざまな寓意を持つ文様、歴代ダホメー国王の紋章を施した各種工芸品)、ヨルバ(ナイジェリアブロンズ彫刻、木彫など。ヨルバの藍染めはアフリカ一美しいと評価されている)、エド(ナイジェリア。ベニン王国の青銅彫刻)、ヌペジュクン(ナイジェリア。ブロンズ彫刻)、イボイジョイガライビビオエコイ(ナイジェリア。木彫)などが挙げられる。

 そのほかにも各地で伝統的なかごひょうたん工芸、金属工芸、アクセサリーなどが作られていて、今日ではバティックをはじめとする現代工芸品の製作も盛んである。


〜サヘルの南、ギニアの地に花咲いた
  色とりどりの工芸文化をご覧ください〜

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*以上の項では主にギニア地方の工芸について記述していますが、今月(2009年10月)の割引対象となるのはギニア湾諸国(ベナンを除くガーナガボンカメルーン・コートジボアールトーゴナイジェリアの6カ国)の商品です。それぞれの国の北部はスーダン地方に属していることもあり、この項に記述されているギニア地方の工芸品ではないものもありますがご了承ください。
ギニア湾諸国特集は2009年10月末日をもって終了しました。
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