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アフリカ雑貨アザライ



アフリカのやきもの特集Uは2018年9月末日をもって終了しました









アフリカの土と火から
産み出された数々の
やきもの; 水がめ、鉢、つぼ、皿…日常の道具として日々の暮らしに根付いた素朴な味わいの素焼きの土器には、アフリカの土のぬくもりが宿っている。

窯元の親方(女性):ボボ=デュラッソ(ブルキナファソ)にて 過去の特集を見る>>

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*本稿は2013年9月の「アフリカのやきもの特集」コラムに、加筆訂正・写真の入れ替えをしたものです。
〜アフリカの土器文化の歴史〜
ボボ=デュラッソの窯元:ブルキナファソ アフリカに関する他の事物と同様にサハラ以南のアフリカ(以下単にアフリカと記述)の土器の歴史もその起源ははっきりとしたことはわかっていない。最近の調査・研究によればアフリカ最古の土器はマリ中部バンジャガラ地方ウンジュグで発見された土器片でその年代は新しくとも1万1千年前と推定されている。また、サハラ地域やその北方の北アフリカからも1万年前前後の土器が多数発見されはじめている。

 アフリカの土器文化でよく知られたものはナイジェリア中北部ジョス高原に前1000年頃〜後200年頃にかけて栄えたノク文化であろう。代表的な遺跡の名をとってノク文化と呼ばれるアフリカ最古の鉄器文化は、粘土製の彫像(人物像、動物像等)でも有名であり、これらの土偶はサハラ以南のアフリカの彫刻文化として現在遺物が残っている中では最古の物の一つである。

 また前4Cごろ〜15Cごろにチャド湖畔に栄えたサオ文化(チャド文化)においても人をかたどった粘土像がつくられ、仮面をつけた人物像と考えられている一群の粘土像はアフリカの仮面文化の貴重な資料となっている(仮面は木製のため古いものはあまり残っていない)。さらに上記マリのバンジャガラ地方の北を流れる大河ニジェール河流域では中・下流域一帯(マリ・ニジェール・ナイジェリア・ちょっと外れるけどブルキナファソなど)から、古いものでは紀元前2世紀頃にさかのぼると見られる素焼きのつぼ、塑像が大量に出土している。
*写真:ボボ=デュラッソ(ブルキナファソ)の窯元

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巨大な酒甕を自転車で運ぶ:ブルキナファソ〜アフリカのやきもの〜
 安価、軽量、頑丈な金属・ほうろう・プラスチックの容器に押され、減少しつつあるものの現在もアフリカ各地で伝統的な技法によるやきもの生産が盛んに行われている。広大なアフリカ大陸のことであるのでもちろんやきものも千差万別であるのだが、サハラ以南アフリカのやきものの大きな特徴としてそのほとんどが土器であるということが挙げられる。やきもの(陶磁器)は大別して土器、b器(せっき)、陶器、磁器の4種に分類されるが、アフリカでは(少なくとも私の見聞の範囲内では)土器以外のものは(伝統工芸の範疇では)作られていない。

 土器とは粘土を用い、釉薬を使わない素焼きの焼き物のことをいい、焼成温度が低い(700〜900℃)ため焼きしめが甘くなりやすく、陶磁器に比べてやきものの厚みもあつくなりまたもろくいものとなっている。しかし焼き締めが甘い、つまり器壁の内部に気孔が多く残っているためため、器内の水分が浸みだしやすくその気化熱によって器内の水は冷たく保たれるという利点がある。チャドスーダンでは町や村の道端に素焼きの水がめが置いてあり、誰でもその水を飲めるようになっているのだが炎天下の道端においてある水がめでも、気化熱の冷却作用によって中の水は結構ひんやりとしてる。
*写真:巨大な甕(雑穀酒用)を自転車で運ぶ(ブルキナファソ)

 素焼きのやきものとは言ってもその色合いは粘土の質や焼成方法(酸化焼成・還元焼成など)によってさまざまである。なかには焼き上げた土器がまだ熱いうちに植物原料の液体をかけてその液体の成分を土器の表面に焼きつかせて彩色、防水加工をする黒陶(黒くなるためこう呼ばれるがいわゆる陶器:ガラス質の釉薬を使うものとは違う)や、焼成前に赤土の泥漿を塗りつけ、赤茶けた色の土器を焼きあげることもある。さらには焼成後にさまざまな顔料で彩色を施すものもある(泥土・石灰・煤・油・黒鉛など実に多様なものが使われる。美的効果とともに透水性を低くする効果を持つことも多い)。
ボボ=デュラッソの窯元:ブルキナファソ
*写真:ボボ=デュラッソの窯元(ブルキナファソ)

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 またアフリカの伝統的やきものづくりの特筆すべき点としてはろくろを一切用いないことが挙げられる(近年ではろくろを用いることも多くなっている)。

 ドーナツ型の藁座の上に平鉢などの台をおいて、鉢を回転させながらその鉢の上で土器を成形する、または地面に掘った浅い穴の中に十分に湿らせた粘土を敷き、その上に平鉢を載せてそれをろくろのように回転させながら土器を成形する、といった回転する道具を用いた技法は存在するが、円盤と回転軸の原理を用いた道具(轆轤)は伝統的な技法のなかには存在しない。

 上記の鉢を用いた轆轤状の技法の場合小さい土器であれば轆轤を用いた一般的な技法である水挽きで成形が可能であるが、アフリカのやきもののほとんどは紐づくり(ひも状に延ばした粘土をつかって成形する技法)や手びねりで成形される。型などを使って底部を成形する場合でも上部や頸、口の部分はひも作りまたは手捻りで成形されることが多い。このように成形された土器はほとんどの場合窯・炉を用いない野焼きによって焼成されるが、トーゴ北部の筒窯やマリ中部の大型の水がめを再利用した炉など窯・炉を用いる場合もある。

 このようにして作られたやきものの形もまたさまざまであるが基本的には円・球を基礎にした形のものが多い。壺、甕、首のすぼまったもの、口の開いたもの、ふた・とってのついたもの、鉢、皿、香炉、七輪などの容器、食器類が多いがカメルーンコンゴなどの中部アフリカを中心に精巧な細工を施した土器製の喫煙パイプ(首長や貴人などの専用)や人形(土偶)も数多く作られている。また西アフリカでは直径数mmの小さなものから直系数pの大きなものまでさまざまな大きさや色・形の素焼きビーズが作られている。

カメルーンやナイジェリアなどで作られた土偶(素焼き人形)の数々
*写真:カメルーンやナイジェリアなどで作られた土偶(素焼き人形)の数々

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やきもののコーヒーポットと七輪:エチオピア  西アフリカの伝統的な民族社会では階級制を持つものが多々見られるが、そのような社会の中には世襲制職能集団(工人階級)をもつ社会もある。西アフリカにおけるそのような社会の場合、職業の男女分業がはっきりしていることが多く、土器作りは女性の職業とされている社会が多い。そして土器作りの女性はある特定の職能集団(鍛冶モシ社会の場合、機織り:フルベ社会)に属する男性と結婚することになっている場合が多い。

 土器作りが女性の仕事とされる理由としては土器の持つ中空の構造が女性のもつ子宮を象徴しているからとも言われているが、面白いことに男性が土器作りをする社会では女性器と土器のヒビが結びつけられ、「粘土貯蔵庫に女性が近づくと焼きあがった焼き物はひびが入ってしまう」などのタブーが見られることが多い(北アフリカベルベル系社会や東アフリカのウガンダ)。

 エチオピアというのはアフリカの中でも(私のような短期滞在者が目にすることができる範囲でも)伝統的な焼き物の使用が盛んな国である。主食であるインジェラ(テフという穀物の粉で作った大きなクレープ状の食品)を焼くのに使う大きな焙烙、暮らしに欠かせない飲み物であるブンナ(エチオピア式コーヒー)を用意するのに必要なコーヒーポットやコーヒー豆を炒るための七輪、とエチオピアの食生活の二大要素ともいえるインジェラとコーヒーに必要なだけではなく、各種の食器など暮らしの中の様々な場面で伝統的なやきものが日常的に活躍している。

 エチオピアでは土器作りは女性の仕事であり、ほとんどのものは手びねりで作られるという。彼女たちは同業の職能集団に属すが、アフリカの多くの伝統的社会で見られるように、近隣の農民からは必要とされる一方で疎外されてきた場合が多い(例:一緒に食事をしない、埋葬人の役割も勤めるなど)。
シェクラティブス=シェクラ(七輪)で焼いた焼肉:エチオピアドーロワット=鶏肉の煮込みを入れてある鉢がやきもの製。手前がインジェラ。
*写真:上;コーヒーポット(ジャバナ)と七輪。下段左;七輪と土鍋が一体化したもの(シェクラ)。下段右;写真中央の鉢。以上はすべて手作り(伝統的)やきもの。ちなみに下段左の写真は牛の焼肉500g、右はエチオピア料理のご馳走メニュー:ドロワット。

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 アフリカのやきもの

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