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インド洋特集は2012年10月末日をもって終了しました











紀元前から続くインド洋交易圏。

遥かな昔からアフリカ大陸とアラブ・ペルシア・インド世界を結び付けてきた海の道は現代も力強く生き続けている。
 *残念ながらインド洋の写真がないのでニジェール河の写真 過去の特集を見る>>

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〜インド洋とは〜
 インド洋とはアフリカ・ユーラシア・オーストラリア大陸と南極海に囲まれた大洋であり、太平洋・大西洋と並び三大洋のひとつ。面積は約7400万ku。アフリカにおいては南アフリカ共和国喜望峰)からエジプト(紅海もインド洋の一部であるため)までがインド洋沿岸となり、インド洋に浮かぶ(アフリカ州の)島国としてはマダガスカルコモロセイシェルモーリシャスがある(その他フランス領レユニオン島など)。

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〜インド洋交易〜
 インド洋、特にアラビア海(インド洋の一部でアラビア半島・アフリカの角とインド亜大陸の間の海)では古くから、春から夏には南西に、秋〜春には反対に北東に吹く季節風(ヒッパロスの風)を利用した船舶(主にダウ船と呼ばれる三角帆の帆船)による長距離海上交易が行われ、インド洋沿岸のインド、ペルシア、アラビア、アフリカの角、アフリカ東海岸などのインド洋世界を結び付けていた(さらにはアデン湾紅海を通じてエジプト、ギリシャ・ローマなどの地中海世界とインド洋世界は結びついていた)。

古代エジプトの帆船。インド洋交易にも使われていたのだろうか? 1Cに書かれた航海案内書「エリュトゥーラ海案内記」にはすでにラム(現ケニア)や現ソマリア、現タンザニアに比定される地名が記されている。7〜8C以降アラブやペルシアのイスラム商人が本格的にインド洋交易に進出。東アフリカ沿岸の諸港にもアラブ人、ペルシア人の定住地ができ、アラブ・イスラム文化とアフリカ文化の混ざり合ったスワヒリ文化(およびスワヒリ語)が生まれた。東アフリカ沿岸部にはラム、モンバサマリンディ(以上現ケニア)、キルワザンジバル(以上現タンザニア)、ソファラ(現モザンビーク)などの貿易港が並び、東・中部・南部アフリカ内陸部の象牙、香料(没薬、乳香、竜涎香など)、香辛料、金、奴隷などを送り出すと同時に、インド洋交易圏各地の産物を輸入していた(インド、アラビア、ヨーロッパの手工芸品、インド産のシードビーズタカラガイ-子安貝-などがよく知られている。またインドなどを通し、遠く中国の産物も輸入していた。現在でもスワヒリ都市の遺跡から中国の陶磁器が見つかることがある)。

 アラブ商人主導で栄えていたインド洋交易圏にポルトガルがやってきたのが15C末のことであった(1497年、バスコ=ダ=ガマの艦隊が喜望峰を回り東アフリカ沿岸のモンバサやマリンディに来航)。その後着々とインド洋に勢力を伸ばしたポルトガルは16C末ごろまでにはインド洋(アラビア海)の交易の大部分を管理下におくまでになった。ちなみに天正少年遣欧使節団がローマからの帰路にモザンビークやモガディシュ(現ソマリアの首都)に寄航、滞在したのはこの時期のことであり(1586〜87年)、おそらくはこれが日本人初のアフリカ訪問ではないかと考えられる。

 17C末、勢力に陰りが出始めたポルトガルにとってかわってインド洋の覇権を握ったのがアラビア半島に本拠地を置くオマーンであったが本国の内乱によってインド洋各地の拠点を完全に支配下に置くにはいたらなかった。1820年代末、傾きかけていたオマーンの国運をインド洋交易の支配権を握ることで盛り返そうと決意したオマーン(マスカット)の領主サイイド=サイードは東アフリカ沿岸各地を攻略。1840年に本拠地をザンジバル(現タンザニア)に移し、オマーン、現ソマリア中部沿岸から現モザンビーク北部沿岸までに及ぶ一大海洋帝国を築いた。

 サイードの国は丁子(クローブ)栽培、インド洋交易などで栄えたが、サイードの死後オマーン本土とアフリカ側領土に分裂。アフリカ側の領土は19C末には蒸気機関を動力とする鉄板船を擁するイギリスの海軍力に圧迫され植民地となった。インド洋の島々、沿岸部、内陸部もヨーロッパ各国に分割され植民地支配(イギリス、イタリア、ドイツ、ポルトガル、フランスなど)を受けたのち1950年代〜70年代にかけて独立を果たした。

 現在もインド洋沿岸各地を結ぶ貿易は活発に行われている。主役となる船は大型の動力船、動力付きダウ船にに取って代わられたが、風のみを動力とするダウ船による交易もつい近年まで行われていたという。

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〜スワヒリ文化の形成〜
  東アフリカ沿岸部のバントゥー系言語と同地域に交易にやって来たアラブ商人の言語(アラビア語)の接触の過程でピジン言語として成立し、世代を経るうちにクレオールとして定着していった言語がスワヒリ語である。スワヒリ語の成立とともにアラブ・イスラム文化とアフリカ文化の混ざり合ったスワヒリ文化も誕生した。スワヒリ語の主な使用地域である東アフリカ沿岸部をスワヒリ(地域)と呼ぶこともある。

 ケニアタンザニアウガンダコンゴ民主共和国など東アフリカ諸国で広く話されている言語であり、東、中部アフリカ一帯でリンガフランカ(共通語)として広く通用している、アフリカを代表する言語の一つである。スワヒリとはアラビア語のサヒール(岸辺)が語源。サハラの南縁部にあたる地域もサハラの向こう岸(アラブ世界から見て)という意味でサヒールに由来するサヘルという名称で呼ばれている。

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インド洋特集は2012年10月末日をもって終了しました。
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