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*バンバラ特集は2008年3月末日をもって終了しました








 かつて黄金の帝国としてその名を轟かせたマリ。今日では西アフリカで最も伝統文化の豊かな国として、大勢の旅行者を魅了している。マリに住む数多くの民族の中でも一際目を惹くのがマリ帝国の末裔を自負するバンバラである。
 グリオが奏でる豊かな伝統音楽。マリ帝国の昔から語り伝えられてきた数々の伝説、いさおし。そして何よりアフリカ屈指の豊かさを誇る仮面・彫刻文化。バンバラの持つ豊穣な伝統文化の世界は見る者聞く者を惹きつけてやまない不思議な魅力に溢れている。

ジェンネの大モスク前の広場にて。毎月曜に開かれるジェンネの大市。
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〜バンバラとは〜
 マリ共和国中部、西部を中心に周辺諸国にも居住するマンデ系民族。伝統的な生業は農耕である。かつてこの地に栄えたマリ帝国の末裔を自負するマリ共和国内最大の民族集団。よく知られたバンバラという名称は周辺民族からの他称で、自称はバマナ(Bamana)。

マリ共和国セグー:ニジェール河に面した港 他のマンデ系諸民族と同様ガーナ王国の拡張、崩壊に伴い西アフリカ内陸部各地に住み着いたと考えられている(主なマンデ系民族としてバンバラのほかにマリンケジュラ、サラコレなどがある)。13〜15C末にかけて栄えたマリ帝国をマリンケ(マリの初代王スンディアタ=ケイタはマリンケの出身)とともに築いた。マリ帝国の後を襲ったソンガイ帝国モロッコ軍の侵攻(1591)により崩壊した後、ソンガイ帝国の支配下から脱け出した各民族はそれぞれ小さな勢力となり小競り合いを繰り返していた。

 バンバラ人がソンガイ帝国崩壊後の西スーダンの動乱期の中で、現マリ共和国中部、ニジェール河沿いの街セグーに自らの国を建てたのは17C半ばのことであったと考えられている(伝承によれば17C初にバラマ=ンゴロとニア=ンゴロという兄弟が建てたと伝えられている)。
かつてのバンバラ帝国(セグー王国)の都セグーの港。ニジェール河を 
行き交う船で様々な人や物が運ばれていく。 

1712年に王位を奪ったママリ=クリバリ(在位1712〜1755)によりセグー王国(バンバラ帝国ともいう)は西スーダンの強国となった。クリバリ王はマリ共和国の首都バマコからトンブクトゥにいたるニジェール河中流域を支配し(これはニジェール河の河川交通、河川交易を支配下に置いたことを意味する)セグー王国繁栄の基礎を築いた。

 クリバリの死後軍人によるクーデターが相次ぎ、11年のうちに4人の王が殺されたが、その後王位に就いたンゴロ=ディアラの統治のもと繁栄を取り戻し、19C半ばにトゥクロール帝国に占領されるまで西スーダンの強国として栄え続けた。

マリ共和国セグー:街の子供たち 早くからイスラムを受け入れたマリやソンガイ帝国の支配者と違い、バンバラ帝国の支配者たちも民衆もイスラムをかたくなに拒み続けた(マリ、ソンガイ帝国でも民衆はやはりなかなかイスラムを受容しようとしなかった)が19C半ばのエル・ハジ=ウマルのトゥクロール帝国(トゥクロール人のジハード)によりイスラムに改宗させられた。以後徐々にバンバラのイスラム化が進み、現在ではほぼ全てのバンバラ人がムスリムとなっている。

 バマナ(バンバラ)の名は「イスラムを拒む者」の意味である、とも言われているとおり、バンバラ人は周辺の民族に比べイスラム化するのが遅く、そのために民族独自の文化を最近まで保ち続けていた(西アフリカではイスラム受容後も固有の民族文化がイスラムと結びつく形で残されていることも多い)
          セグーの子供たち。バンバラ帝国の末裔?
 バンバラの社会にはtneと呼ばれるタブーがあり、これはある特定の動物を氏族の象徴として殺さない、食べない等の禁忌を守るという習慣である。たとえばマリの王家の末裔といわれているケイタ家はカバを、トラオレ、ダンベレ家はヒョウを、シセ、ドゥクレ家はニシキヘビをそれぞれ一族の象徴としている。

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〜バンバラの工芸〜
 今日でも多くの伝統文化が息づいている西アフリカにおいてもバンバラの伝統文化は最も人々を惹きつけるもののひとつだろう。マンデ系社会において特に発達したグリオによる伝統楽器の演奏、伝承の朗詠。マリの名産品ともいえるボゴラン(泥染め)、そして世界に広く知られたバンバラの仮面彫刻文化...

売切れ:アフリカの木彫 チワラ(雄雌ペア・大) バンバラバンバラの仮面・彫刻も大多数のアフリカの民族の例に漏れず、宗教と密接に結びついている。彫刻の中でも木彫り像などの彫像は私的な空間で、個人的な祈りの対象になったり、魔術師(呪術師)の祈祷の対象になったりすることが多いのに対し、仮面は村や町、つまり共同体を挙げての祭儀、祭礼の際に使用されるいわば公的な存在であった。

バンバラ社会ではこの仮面(チワラ等の頭上面も含む)の使用は(秘密)結社=トンが担っていた。バンバラ社会には年齢、性別、職業などによるいくつもの結社(ントモ、コノ、コレ、ナマなど)があり、それぞれ成人儀礼、農耕儀礼、葬送儀礼などの祭儀とその際の仮面の使用を司っていた。

バンバラ彫刻は世界的にも高い評価を受けていて、直線的で堅牢、哲学的な印象をもつ。特に仮面において顕著なのが長く通った鼻筋、落ち窪んだ目等であらわされる哲学的な表情で、ひとめでバンバラの物だと見分けることができるほどである。近年の作品には銅や真鍮などの金属板を装飾的に貼り付けるている物が多い。

バンバラの彫刻の中で特に有名なのが農耕儀礼において使用されるチワラと呼ばれる玲羊をかたどった頭上面である。チワラは今日では民族の枠を超え、マリのシンボルとしてさまざまな物にそのデザインが取り入れられている。
 バンバラ彫刻の顔、垂直型チワラの雌雄ペア。実にさまざまなチワラが作られている。

チワラが描かれたマリの印紙:店長のパスポートより
チワラが描かれたマリの印紙


〜華やかな歴史と伝説に彩られた黄金の国マリ。
豊かな歴史と伝統が息づくバンバラの工芸品の数々をお楽しみ下さい。〜


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バンバラ特集は2008年3月末日をもって終了しました。

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