ニジェールにて。ひびの入ったひょうたんをヒゴで繕う
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〜アフリカのひょうたん〜
アフリカ文化を代表する植物を一つあげるとしたら、ひょうたんを選ぶ人が多いのではないだろうか。サハラ以南のアフリカのほぼ全域で栽培、加工、使用され、日常の容器から威信財としての容器、宗教儀式に使う容れ物、楽器、時には衣服にいたるまでの幅広い用途で用いられるひょうたんはアフリカの人々の暮らしの中に、信仰の中に深く根付いていて、アフリカ文化の中で非常に重要な役割を果たしている。
〜ひょうたんの種類・形状〜
ひょうたんはウリ科ユウガオ属の植物であり西アフリカが原産地と考えられている。非常に古くから世界中で栽培され、最古の栽培植物の一つと考えられている。ひょうたんの実の形は実に様々であり、長さ2mに達するものや、直径が50cmを越すような大きなものもある。アフリカで使われているひょうたんの主な形状として次のような物があげられる。 ブルキナファソにて。中央:ひょうたんを共鳴器に使った木琴「バラフォン」。右奥には
ひょうたん太鼓。リュックを背負った兄ちゃんはひょうたんの器で雑穀ビールを一杯。
・丸瓢(球形) |
まん丸に近い形のものから、卵形、扁平なものまであり、半分に切ってボール型容器として使用することが多い。または上部に穴を開け、つぼ型容器としても使用する。半切りにしたひょうたん上部をそのままふたとして使用することもある。用途も幅広く、液体から粉末、固形の食糧、さらには貴重品入れや衣装箱としても使われ、アフリカでは一番多く使用されているタイプのひょうたん。
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・瓢箪型 |
日本でも多く栽培、使用されているタイプのひょうたん。上部を切り取ったり穴を開けたりして、液体を入れるための容器として使用することが多い。胴がくびれた形をしていて、日本でひょうたんというとまずこのタイプのひょうたんを思い浮かべる。
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・胴長 |
瓢箪型ひょうたんの胴のくびれを長く引き伸ばしたような形をしている。アフリカでは瓢箪型のものよりもこっちのタイプのほうが多い。上部を切り取って液体を入れるための容器として使用することが多い。
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・首長(くびなが) |
下部が丸く膨らみ上に細長い首が伸びている、丸型フラスコのような形をしている。縦に割ってひしゃく、スプーンとして使用することが多く、アフリカでは丸瓢に次いで多く使われている。まれにパイプとして使用されることもある。
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・円筒形 |
縦長の筒状の形をしている。上部を切り取ったり穴を開けたりして液体を入れる容器として使用することが多い。一部の地域では衣服(ペニスケース)として使用されることもある。
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*上記の分類は学術的なものでなくあくまで私見による便宜的なものです
〜ひょうたんの装飾〜
アフリカの文化の中で、アフリカの生活の中で、様々な場面、様々な用途で、様々な形のひょうたん(ひょうたん容器)が使用されている。ひょうたんを割ったり、切ったり、穴を開けたりしたまま何の装飾も施さずに使うことも多いが、多くの場合ひょうたんの表面には様々な装飾が施され、アフリカの人々の暮らしを彩っている。
・彩色 |
ひょうたんの表面に色を塗る。単色の場合が多いが複数の色を用いることもある。
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・線刻 |
小刀などでひょうたんの表面に文様を彫りこむ。刻み込まれる文様は幾何文様から絵画的な文様まで様々であり、民族ごとに独自の文様を持っていることも多い。
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・焼刻 |
熱した小刀などで焼印のようにしてひょうたんの表面に文様を刻み込む。文様の種類は幾何文様から絵画的な文様まで様々であり、民族ごとに独自の文様を持っていることも多い。
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・ビーズ装飾 |
極小ビーズ(シードビーズ)でひょうたんの表面に装飾を施す。ひょうたん全体をシードビーズ細工で覆い尽くしているものも多い。幾何文様や絵画的な文様がビーズ細工で描き出される。主に南、東アフリカで製作される。西アフリカではナイジェリア南部やカメルーンなどでおこなわれている (王侯貴族の威信財として用いられた)。
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アフリカにおける伝統的なひょうたん細工は概ね以上の技法のうちの一つか複数の組み合わせで行なわれる。
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〜ひょうたんと女性〜
内部に空洞を持ち、軽くて、ある程度の丈夫さのあるひょうたんはアフリカの人々の暮らしの中で様々な形で活用されてきた。ひょうたんの用途は様々であるがアフリカでは(他地域でもそうだと思うが)圧倒的に容器としての使用が多い。容器としての使用目的もまた、衣装箱、かぎ煙草入れ、貴重品入れなど様々であるが、やはり食にかかわる用途のものが圧倒的多数を占める。液体(水、ミルク、油、酒など)を入れるための容器。穀物などを入れるための容器。食器としてのひょうたんなどなど...
家庭の食をつかさどるのは一家の主婦の役目であリ、容器としてのひょうたんを用いるのは主に女性である。このことからひょうたんはアフリカの伝統的社会の中で主婦権の象徴とみなされることも多く、嫁入り道具としてひょうたんが用いられる社会が多く存在する。ブルキナファソのカセナ人の主婦はつや光りするまで磨き上げた大小さまざまなひょうたんを柱状に積み上げたザノと呼ばれるものを持ち、主婦権の象徴としている。またひょうたんの中空状の構造は子宮を連想させるため、同じように中空状の構造を持つ壺と共に母性・女性性の象徴とみなされることも多い。
〜民話・神話の中のひょうたん〜
ひょうたんの空洞が子宮を連想させるために女性とひょうたんを宗教的な象徴性の中で結び付けて考える伝統社会がアフリカには多く存在する。女性は子を産むことから、多くの社会で神秘的・魔術的な力があると考えられている。神秘的な力を持つ女性の象徴であるひょうたんにもやはり神秘的な力が宿る ベナン。つぼ状のひょうたんに入れた飲み物を売る娘さん
と考えられ、多くの民話でひょうたんが重要な役割を果たす(→参照「三つのひょうたん」)。
多くの社会の創世神話の中に、女性神または女性性を象徴するものが世界を生み出すという類型を見出すことができる。女性性の象徴であるひょうたんもまたアフリカの伝統社会の世界観の中で重要な役割を演じることがあり、ベナンのフォン人の神話では、宇宙は丸いひょうたんのような球状の空洞でありでありその中に大地が浮かんでいると言われている。フォン人はよく丸瓢を上下ふたつ割りにしてふた付き容器(→フォンのひょうたん容器を見る)として用いるが、上部の蓋が天を、下部の容れ物部分が地を、蓋と容れ物部分が触れ合う箇所は即ち天と地が触れ合う場所である水平線をあらわし、まさに彼らの宇宙観の象徴として、ひょうたんが用いられている。
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アンティーク
〜歳月にみがかれた色艶〜
アフリカでは人々の生活にひょうたんが重要な役割を果たしている。ひょうたんは市場や家庭で現役の容器として使われ、欠けたりひびが入ったりしたひょうたんは糸やひごで縫い合わされてふたたび使われる(宗教的な儀式にひょうたんを用いる民族も少なくない)。
このようにして長年大事に使われ続けてきたひょうたん−特にミルク(牛、ヤギ、羊、ラクダなどの乳)や油などを容れていたひょうたん−の中には表面に赤味がかった光沢が出てくるものがあり、その美しい飴色のつやには、アフリカの人々の暮らしの中で使われてきた長い歳月を思いおこさせる、えもいわれぬ趣がある。 |
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ひょうたん容器
〜暮らしに根ざしたかたち〜
ひょうたんボウルに容れた山盛りのスパイスを売るおばさん。食事の支度をする母親の傍らには材料を入れたひょうたん容器。
ひょうたん容器(特にボール型ひょうたん容器)は安価で壊れにくい金属製、プラスチック製のボールが大量に出回っている今日でも市場や家庭で現役の容器として活躍し、アフリカの人々の生活の中で重要な役割を担っている。
人々は球形、ひょうたん型、円筒形などさまざまな形のひょうたんを用途に応じて使い分け、また表面には彩色、線刻、焼印、ビーズ飾りなどの美しい装飾をほどこすこともある。生活の中で育まれてきたひょうたんのかたちと模様は、見る者にアフリカの暮らしの匂いを感じさせてくれる。
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ひょうたん楽器
〜ひょうたんの奏でる音色〜
アフリカではひょうたんは容れ物としてだけではなく楽器としても使われる。その中空の構造は理想的な共鳴器としてさまざまな楽器に使われてきた。
半切りにしたひょうたんに皮を張れば太鼓。それに棹を付け弦を張れば弦楽器。木琴の共鳴器、マラカスetc...
ひょうたんを利用した楽器を数え上げれば枚挙に暇がない。ひょうたん楽器の奏でる、時に哀切、時に情熱的な音色は、聴く者をアフリカの豊穣な音の世界へと案内してくれる。 |
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ひょうたん雑貨
〜ひょうたんの新しい可能性〜
はるかな昔からひょうたんを加工、細工し利用してきたアフリカの人々にとってモダンな雑貨をひょうたんで作るというのはごく自然な発想だっただろう。
バッグ、人形、ランプカバー、小物入れ... アフリカの土産物屋をのぞけば、多種多様なひょうたん雑貨を目にすることができる。
その種類と細工の豊富さ、多彩さに、アフリカ工芸の新しい可能性が感じられる。 |
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〜人々の暮らしに根ざしたアフリカのひょうたん工芸品の
数々をお楽しみ下さい。〜
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おすすめ商品 |
バリエーションあり
ベンドレ(ひょうたん太鼓・中)
ブルキナファソ
¥5500
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ひょうたん小物入れ(線刻・大)
フォン ¥4830
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ビーズ付きミルク入れ
マサイ ¥36750
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ひょうたん小物入れ(Akpakivi・中)
トーゴ ¥2100
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ひょうたんボウル(焼刻・大)
ハウサ ¥4500
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ワムデ(焼刻・大)
ブルキナファソ ¥3950
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アフリカのひょうたん特集は2008年8月末日をもって終了しました
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