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*本稿は2016年4月の「アフリカンプリント特集U」のコラムを再掲したものです
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アフリカの布と聞いてまず思い浮かべるのはなんだろうか。ボゴラン(泥染め)?インディゴ(藍染め)?草ビロード?ケンテクロス? これらの布がアフリカを代表する布であることは間違いないが、大多数の人がアフリカの布と聞いて真っ先に頭に浮かべるのはアフリカンプリント布であろう。
村で、町で、市場で、家で、晴れの場で、アフリカの人々の暮らしを彩る布が、パーニュ(またはパーニュワックス)・チテンゲ(キテンゲ)・カンガなどと呼ばれるコットンプリント布(アフリカンプリント:最近は木綿以外にも化繊のもの等あり)である。ド派手な原色同士の突拍子もない組み合わせと、さまざまなモチーフを貪欲なまでに取り込んだ、何万何千もの模様を持つカラフルなアフリカンプリント布はアフリカにいったことがある人なら誰もが目にしたことがあるだろう。
〜アフリカンプリントとは〜
サハラ以南のアフリカ向けに作られた機械織りの薄手の布(木綿・化繊・混紡)にさまざまなプリントを施した布の総称。おおむね原色を多く用いた派手な色と柄のものが多い。ちょっとした晴れ着から普段着、腰布、背負い布、かばん、小物まで生活に密着したさまざまな用途に用いられ、アフリカに行ってアフリカンプリントを眼にしない日は無いというくらいアフリカの人々の生活に欠かせない布となっている。
以前はワックスプリントがほとんどであったが近年安価なファンシープリントも増えてきている。 |
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〜アフリカンプリントの歴史〜
現代アフリカを象徴する布ともいえるアフリカンプリントであるが、実はその多くがアフリカ大陸以外の地域で生産されアフリカに輸入されていることは意外と知られていない。またアフリカンプリント布のそもそものルーツが、これもまたアフリカ大陸外のジャワ(インドネシア)にあること...
中略:「アフリカンプリントの歴史」については「アフリカンプリント特集」その1をご覧ください
...かつては外部のデザイナー(主にヨーロッパ人)が「アフリカ人の好みってこんなデザインだろう」「アフリカらしさってこんな色使いかね」と勝手に決めていたアフリカンプリントのデザインであるが、現在ではデザインや色使いについてアフリカ側から外部の生産地に向けて積極的・主体的な要求が出されるようになり、アフリカンプリントは名実共にアフリカを代表する布となってきた。
20Cになってからアフリカに広まった安価なアフリカンプリント布は、それまで現地製の高価な手作り布には手を出せなかったアフリカの庶民の暮らし・文化(特に服飾文化)を大きく変えた。アフリカンファッションといってまず思い浮かべる、カラフルで大胆な模様の布を使ったドレスと頭に巻かれたとも布というアフリカ全土に広く見られるファッションスタイル。シャツに腰布というこれまたアフリカ全土で広く見られるスタイルのその腰布。バッグなどの小物。赤ん坊の背負い布。風呂敷代わりにと、現代ではアフリカを訪れてアフリカンプリントを目にしない日は無いというくらい生活の隅々にまでアフリカンプリントが使われている。遠くジャワで生まれヨーロッパで工業化されたアフリカンプリント布が、現在ではアフリカ・アジア・ヨーロッパなどで生産され、サハラ以南のアフリカの隅々にまで浸透し、アフリカを象徴する布となっていることは、外来のものも、自分たちの好みにあわせ変化させ、貪欲に取り込み自らの文化の一部とするアフリカの人々の力強さ、包容力の大きさを物語っている気がしてならない。 |
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〜アフリカンプリントの現在〜
ジャワ(インドネシア)にルーツを持ち、その後ヨーロッパで大量生産されるようになり、サハラ以南のアフリカの津々浦々にまで浸透したアフリカンプリント布であるが、現在その主な生産地はヨーロッパ・東南アジアから中国に移っている。(布だけではないが)とにかく安い中国製品はすでにアフリカの国々にとって欠かすことの出来ないものとなっている。
アフリカの国々で生産されている現地ブランドも増えてきている。例えばマリのコマテックスやナイジェリアのダビバなどがあるが中でもコートジボワールのユニワックスはアフリカ製プリント布のトップブランドとして知られている。
さらに高級品としてはオランダのブリスコなどもあり(西アフリカの都市に行けばたいていはブリスコ生地のゴージャスなプリントドレスをまとったアフリカ美人の大きな広告看板を見ることが出来る)、このように一口にアフリカンプリントといっても、様々な品質・価格帯のものがあり、それぞれの懐事情や用途によって様々な選択肢が用意されている。
余談ではあるが一度ユニワックスやブリスコの直営店に行った事があるがきれいな建物で冷房も効いていてディスプレイもきれいでおまけにテッポウ持った警備員までいて、要するに町の市場で布を山積みして売っているような店とは何から何まで違った。もちろん一番違ってたのは価格だったが。
現代のアフリカンプリントの布のなかには、外国からの訪問者向けにアフリカらしさを過剰に強調したようなものもある(筆者はそれらの布を勝手に「ツーリズムプリント」と呼んでいる。主な産地はセネガル)。太鼓や、踊りや、仮面や、アフリカ大陸や、藁屋根の小屋やバオバブの木など、外国人の目から見て「アフリカらしい」モチーフが主につかわれている。それらの布はアフリカ現地の住民が使うことはあまりなく、観光客用のみやげ物(服やかばんなど)の生地として用いられる事がほとんどである。あるいは、漢字や芸者や富士山がプリントされている過剰に日本を強調したようなTシャツを着るのは外国人観光客だけ、ということをイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。 |
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〜パーニュ・チテンゲ(キテンゲ)・カンガ〜
アフリカンプリント布はおおむね西アフリカではパーニュ、東・南部アフリカではカンガ・キテンゲ(ザンビアではチテンゲ)と呼ばれている。パーニュ(腰巻という意味)、チテンゲはひとつのモチーフを連続してプリントしてあるデザインが多く、ケニア、タンザニアなどの東アフリカで多く用いられるカンガと呼ばれるアフリカンプリントは、布の縁の部分がフレーム状に染められその枠の中に大ぶりの模様がプリントされている。さらに特徴的なことに、枠内下部にはことわざなどがプリントされている。これはスワヒリ語でジナと呼ばれ、そのカンガを着る人から見る人への、贈る人から贈られる人へのメッセージとなることもある(例えば妻が浮気をとがめることわざをプリントしたカンガを着て、それを見た夫が謝罪のことわざがプリントされたカンガを妻に贈るとか)。
アフリカンプリントの柄(模様)は初期にはジャワ更紗の模倣、やがてはアフリカ人の嗜好を取り入れたデザインとなり、その色も原色同士の派手な組み合わせが多くなっていった。そのモチーフは何万何千種類にもおよびとてもまとめ切れないがざっと思いつくだけでも、ジャワ更紗の文様をアレンジしたもの、動物、鳥、魚、草花、木、果物、農作物、日常の雑器、人体のパーツ、アフリカの伝統的な文様を取り入れたもの、アフリカ地図、国の地図、宗教的なモチーフ(イスラム・キリスト教が主)、肖像(特に政治家)など枚挙にいとまがないし、同じデザインでも色の組み合わせ(その多くは原色同士の派手な色の組み合わせが用いられている)を変えたりするのでほとんど無限といってもいい多様性を誇っている。
この多様性と、アフリカの風景と人々の黒い肌によく映えるド派手な色使い。アフリカの人々の暮らしに密着したアフリカンプリント布はアフリカを代表する布なのである。
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アフリカンプリント特集は2020年5月末日をもって終了いたしました
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