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ダホメー王国特集は2014年5月末日をもって終了しました 









かつて西アフリカの熱帯地方に栄えた王国ダホメー。

数々の伝説と神秘に彩られた王国の遺産と伝統は今なおベナンの地に息づいている。
 ダホメ王国歴史絵巻 過去の特集を見る>>

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〜ダホメー王国とは〜
ダホメー王国関連地図 ダホメー王国とは17世紀初頭にアボメーを首都として、西アフリカギニア湾岸地域、現在のベナン南部に興ったフォン民族の王国。 アマゾネス(女兵士)軍団に代表される強大な軍事力と奴隷貿易によって富み栄えた。

 17C初頭、アルドラー、ウィダやポルトノボなどの沿岸部都市国家の奴隷狩りの被害を受けることが多かった内陸部のフォン人たちは、沿岸部諸国に抵抗するためにアボメーを首都とするダホメー王国を建国(もしくはもともとあった小王国を強化)し国民皆兵制の軍事国家へと発展していった。

 当初はアボメー王国と呼ばれていた同王国は初期にはまだ東方の大国ベニン王国や、ヨルバ諸国の中で最大のオヨ王国(ともに現ナイジェリア)の朝貢国のひとつに過ぎなかった。三代目のウェグバジャ王の代からダホメーの本格的な歴史が始まる。1645年に即位したウェグバジャは法を整備し、王権を強化し、軍備を整え、それまで沿岸の都市国家ウィダやポルトノボ、アルドラーなどの侵攻(奴隷狩り)に悩まされてきたダホメー王国を地域の強国の一つに押し上げた。

 伝承によれば第四代国王アカバが近隣のダンという王国(もしくは王)を攻め滅ぼした際、ダン王の死体の腹から木が生えてきた(もしくは死体の腹に木の種を植え付けた)。以後アボメー王国はこの故事(→この故事を描いたアップリケを見る)にちなんでDan Xome(ダン・コメ:ダンの腹という意味)、さらに転じてダホメーと呼ばれるようになった(これは第三代ウェグバジャ王の事績とする説もあり)。

 またこの伝承には異説もあり、それによれば、人質としてダホメーに抑留されていたダンという男が王太子時代のアカバを暗殺しようとし落とし穴を掘ったが、アカバの代わりに飼い犬が落ちて失敗した。怒り狂ったアカバはダンを殺しその死体の(腹の)上に自らの宮殿を建てたといわれている。

 第五代国王アガジャはウィダ等の沿岸部都市国家を征服しヨーロッパ諸国との直接交易の道を開いた。奴隷狩りへの自衛の必要性から地域一の軍事大国へと発展したダホメーは、沿岸部を征服した当初は奴隷貿易を制限しようとしたものの、軍事力維持・増強のためにはヨーロッパ人から火器を購入せざるを得ず、皮肉なことに結局は火器購入のために自らヨーロッパ人との奴隷貿易に手を染めることとなった。奴隷と交換した銃器を使い近隣諸国で奴隷狩りを行う、その奴隷をさらにたくさんの銃と交換するという交易システム、軍系統に基づいた行政システムがうまく機能し、王国は西アフリカ屈指の軍事力を誇る強力な王国に成長し、第九代ゲゾ王の時代に最盛期を迎えた(東方のオヨ王国からの圧迫に対抗するため軍事国家化せざるを得なかった面もある)。

 18C初めに即位したゲゾ王の代にはオヨ王国の圧迫をはねのけ最盛期を迎えたダホメー王国であったが、ゲゾ王の死後、周辺諸国の圧迫やギニア湾岸の内陸地域への進出をもくろむヨーロッパ諸国(主に仏英)の侵攻にさらされた結果徐々に衰えていった。19C半ばから同地域の植民地化を試みたフランス軍の侵攻により1894年首都アボメーが陥落、滅亡し、1900年にはポルトノボを首都とするフランス領ダホメーの一部となった、19末には現ベナン領のほぼ全土がフランス支配下に入り、1904年からはダカール(現セネガルの首都)を首都とするフランス領西アフリカの一部に組み込まれた。

なお、ダホメー王家は儀礼的存在として王国滅亡後の植民地時代から現在まで存続している。ダホメーの名は1960年の独立時にダホメー共和国という国名に受け継がれたが、1975年に国名をベナン人民共和国に、90年には現在のベナン共和国に改称し現在に至っている(国内の特定の民族に由来する国名だと対立が起こるため、隣国ナイジェリアに栄えたベニン王国から名前を取った)

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 ダホメー王は国家そのものであり、王は国民に対して直接的な支配権を持つなど、アフリカ(少なくとも西アフリカ)の王国の中では他に例を見ないほどの絶対的権力を持っていた。王と王家の繁栄、つまりダホメー王国の繁栄を維持するために毎年多数の生贄(人間:戦争捕虜などを用いた)を捧げる儀式がおこなわれていた。

 ダホメーの王は各々の事績に基づいた紋章を持つが、ダホメーの王権そのものを象徴する紋章としてはたくさんの穴が開いた水がめが用いられ、王権=国家の生命力を水がめの中の水にたとえた。水がめに開いた多数の穴は国家の危機を表していて、比喩的な意味ですべての国民が穴に指をあてがうことが要求された。つまりフォン人の王への忠誠、王権の下でのフォン人の結束を意味するこの紋章はダホメー王国の強大な王権と王の直接支配という体制を象徴するものであった。

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〜ダホメー王国歴代国王の紋章〜
王とその紋章 紋章の意味 事績
初代国王:Gangnihessou
(?)
鳥(燕雀)は自然界の支配者。彼の行くところすべての小鳥は身を隠す。王国の民は王の太鼓の響く音を聞いたときは王の下に集まらなければならない。
鳥(燕雀)とタムタム
第二代王:Dakodonou
(1620-1645)
火打石が伝えられたのは彼の御世であった。王は義母を壺に沈めて殺した。
藍壺と火打ち石
第三代王:Houegbadja
(1645-1685)
最も賢い魚はけして梁にはかからない。王を罠にかけようとしても王は逃れるだろう。
「一度罠にかかった魚は二度と罠にかからない。」
ダホメー王国の実質上の創始者
魚と梁(やな)
第四代王Akaba
(1685-1708)
カメレオンの歩みは遅いが必ず木の頂まで登りつく。
いのししは太陽をまっすぐに見れない動物である。アカバ王はけして敵と向き合って話をすることの無い王であった。
アボメーから
ダホメーに国名を変更。
カメレオンorいのしし
第五代王:Agadja
(1708-1832)
アガジャ王は最初にウィダの船を奪った(ウィダを攻略した)王である。王はこれによりその権威を広めた。
「誰も一本の木を枝ごと火にくべることはできない。」
ウィダ(Ouidah)などの海岸部都市国家を征服。これによりヨーロッパ人と直接交易を行えるようになり王国は栄えた。
第六代王:Tegbessou
(1732-1774)
服を着たバッファローの服を脱がすのは難しい。
「余はすでに王座にあり。汝らに余を王座より降ろす事はできぬであろう。」
母后がダホメーにヴォードゥン信仰をもたらした
服を着たバッファロー
第7代王:Kpengla
(1774-1789)
「水の中の石はけして寒さを怖れたりしない。」
鳥(燕雀)
第八代王:Agonglo
(1789-1797)
ヤシの木に雷は落ちるがパイナップルの木に落ちることは無い。」
パイナップル
?? 第九代王:Adandozan
(1797?〜1818?)
?? 暴君であったためダホメーの歴史で語られることが少ない。
(歴代の王に数えられないことが多い)。
バブーン・胃袋・口
・トウモロコシを握った手
・日傘
第九(十)代王:Guezo
(1818-1858)
余は狩人の王なり。「Gue(鳥の一種)」の尾羽は火の様に赤いが森を焼くことは無い。
強く大きいバッファローは障害に出会うことなく町を横切る。
ダホメー王国最盛期の王。
角で突かれた
バッファロー
第十(十一)代王:Glele
(1858-1889)
余は鋭い牙と爪を蓄えている。我が父が退けし敵が再び余の国を侵すことあらば、森の中で獲物に襲い掛かる獅子の如く、敵を殺すであろう。
「一度耕した土地で反乱を起こさせることはけして無い.」
ライオン
第十一(十二)代王:
Behanzin
(1889-1894)
怒り狂った鮫は海を濁らせる。
宇宙はその手に大地の卵を持つ。
余は全黒人の王である。
実質上ダホメー王国最後の王。
鮫と卵
第十二(十三)代王:
Agoli-Agbo
(1894-1900)
ダホメーは困難によろめいているが倒れてはいない。
足・砂利・弓とほうき

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〜ベナンの文化・工芸〜
 ベナンの美術・工芸で最も知られているものはやはり宮廷美術の発達したダホメー王国関連かヴードゥー教関連のものであろう。ダホメー王国の代々の王はそれぞれ固有の紋章を持ち、その紋章を施した様々な工芸品:彫刻、アップリケ、織り布、ひょうたん細工の数々が作られた。王宮の外壁には、王の紋章や様々な故事を表す彩色された漆喰の浅浮き彫り(日本の鏝絵-こてえ-みたいなもの)が施され、それらは現在も王宮跡や民家の外壁に見ることができる。

ベナンの名産品。極彩色のアップリケ ベナンの工芸品としてもとっも有名なものに極彩色のアップリケがあるが、これももともとはダホメー王国の軍旗であったり、王国の歴史、故事を描く垂れ幕から発展したものであった。古い作品にはモチーフの一つ一つ意味が込められていてフォンの象徴論に従って見れば一枚のアップリケ布に一遍の物語を読み取ることも可能である。現在は花鳥風月などの華やかな絵柄のものが多く作られ、ベナンの特産品として広く知られている。

 ベナンではヨルバ、フォンなどが木彫文化の担い手として知られているが、彼らの作品は日本に紹介されることの多いスーダンタイプ(直線的、抽象的、堅牢)の木彫文化とも、コンゴタイプ(写実的、曲線的、ハート型の顔)のそれとも一線を画し、アーモンド型の目、
比較的写実的な、曲線を多用した描写、多色で彩色するなどギニア湾沿岸諸民族の多くに共通する、いわばギニアタイプともいうべき特徴を持つ。フォンやヨルバの彫刻はヴードゥー関連の物が多く、ヴードゥーの神像、儀式の際の祭具などが多くつくられている。中でもシードビーズで彩色したヨルバの彫刻(頭上面など)はよく知られている。

 ベナンの工芸品を語る上で忘れてはいけないのがひょうたん細工である。アフリカではひょうたんの表面に様々な装飾を施すことが広くおこなわれているが、フォン、バリバなどの民族が作るひょうたん容器には、様々な寓意的なモチーフが繊細な線で彫り込まれ、アフリカで最も美しいひょうたん工芸の一つに数えられている(スーダンのひょうたんは幾何文様が多いがこちらは動植物などのモチーフが中心:個人的にはアフリカで一番だと思っている)。またひょうたん細工の伝統をいかしたモダンなひょうたん工芸も盛んである。


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