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アフリカンプリント特集は2010年6月末日をもって終了しました








パーニュ・チテンゲ・カンガ。ド派手な色彩と無数の模様。

晴れ着から普段着、背負い布から小物まで、アフリカの人々の日々の暮らしに密着した布・アフリカンプリント。

原色を多用したカラフルなその布は、アフリカの風景と黒い肌に不思議とよく似合う。

アフリカンプリント布を身にまとったフルベの女性たち(ニジェール 過去の特集を見る>>

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〜アフリカンプリントとは〜
ジェンネの月曜市に集まった人々。アフリカンプリントの服を着た人がたくさん。 アフリカのと聞いてまず思い浮かべるのはなんだろうか。ボゴラン(泥染め)インディゴ(藍染め)?草ビロード?ケンテクロス? これらの布がアフリカを代表する布であることは間違いないが、大多数の人がアフリカの布と聞いて真っ先に頭に浮かべるのはアフリカンプリント布であろう。

 村で、町で、市場で、家で、晴れの場で、アフリカの人々の暮らしを彩る布が、パーニュ・チテンゲ(キテンゲ)・カンガなどと呼ばれるプリント布(アフリカンプリント)である。ド派手な原色同士の突拍子もない組み合わせと、さまざまなモチーフを貪欲なまでに取り込んだ、何万何千もの模様を持つカラフルなアフリカンプリント布はアフリカにいったことがある人なら誰もが目にしたことがあるだろう。
                                          アフリカンプリントを着た人、人、人(ジェンネマリ

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〜アフリカンプリントの歴史〜
にんじんを売る少女(カンカン・ギニア共和国) 現代アフリカを象徴する布ともいえるアフリカンプリントであるが、実はその多くがアフリカ大陸以外の地域で生産されアフリカに輸入されていることは意外と知られていない。またアフリカンプリント布のそもそものルーツが、これもまたアフリカ大陸外のジャワ(インドネシア)にあることはさらに知られていない。

 ジャワ(インドネシア)は古来から染織工芸の盛んな地として知られてきた。そのジャワの特産品として知られていたのがジャワ更紗と呼ばれる布である。木綿や絹にろうけつ染めでさまざまな文様を描いた更紗布の高度な染色技法は当時インド洋に進出してきたヨーロッパ人たちに衝撃を与えた。時はあたかもヨーロッパ産業革命の時代。18C後半にイギリスではじまった産業革命を牽引したのは繊維産業であった。蒸気機関の発明による自動紡績機、自動織機さらには機械による自動染色技術を開発したヨーロッパの繊維業界が目をつけたのがジャワ更紗をはじめとするアジアの染め布を工業生産することあった。1810年代には早くもジャワ更紗を模倣したヨーロッパ製の機械織り・機械染めの染め布がインドネシアに輸出されている(この布の評判は今ひとつだったようではあるが)。

 相次ぐ奴隷貿易・奴隷制の廃止、産業革命によるヨーロッパ諸国の工業力・生産力の増大により、ヨーロッパ諸国のアフリカ政策は「アフリカ=奴隷・資源の供給地(収奪地)」から「アフリカ=資源の供給地(収奪地)+ヨーロッパ工業製品の市場

    アフリカンプリントの服を着た少女(カンカン・ギニア)   
(消費地)」、つまり植民地政策へと転換された。それまでアフリカ大陸の沿岸部にとどまっていたヨーロッパ勢力が次々と内陸へ進出をはじめ、アフリカ分割の時代を経て20C初頭にはほぼアフリカ全土がヨーロッパ諸国の植民地支配下に置かれることとなった。

ロバをひく男性(トンブクトゥ・マリ) ヨーロッパ製工業製品の消費地と位置づけられたアフリカ植民地には次々と工業製品が輸出されたがその主力商品のひとつがジャワ更紗を模倣したヨーロッパ製の(機械織り・機械染めの)プリント布であった。記録に残る最初のヨーロッパ製プリント布のアフリカ向け輸出は1850年代とされている(現モザンビークへ輸出)が、それが本格化したのは植民地化が進んだ19C末〜20C初頭のことであった。

 初期のアフリカ向けヨーロッパ製プリント布の色・柄(模様)はジャワ更紗の模倣であったが次第にアフリカ向けのデザインで原色をふんだんに用いたプリント布が多く輸出されるようになったきた。ヨーロッパ製プリント布の到来以前にアフリカにも独自の織物・染色工業はあったものの、概ね小規模手工業生産であったそれらの布は高価なもので一般庶民には手を出しづらいものであった(ヨーロッパとの交易が始まる以前にもサハラ縦断交易インド洋交易などアフリカ大陸外部との交易によって外来の布が輸入されていたがやはり高価なものであった)。これらの布に比べ安価なヨーロッパ製のプリント布はひろくにアフリカへと浸透していった。
     アフリカンプリントの貫頭衣を着た男性(トンブクトゥマリ) 

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 第二次大戦期まではほぼヨーロッパ企業の独占状態であったアフリカンプリント布であるが大戦後独立、工業化したアジア各国がアフリカンプリント市場に進出してきた。それがインドネシア(ジャワ更紗のそもそものルーツ)やタイなどであり、そして意外なことに日本である。日本からアフリカへのプリント布の最初輸出は1928年に現ケニアへ向けてのものであったが、それが本格化したのは1950年代であり1980年代前半まで続いた。アフリカ各国が独立した1960年代からはアフリカ各地でのアフリカンプリント現地生週に一度の市にはおしゃれ着で(ニアメ・ニジェール)産も盛んになってきた。1990年代からは新たに中国もアフリカンプリント市場に本格的に参入し、その圧倒的な安さで市場を席巻している。

 かつては外部のデザイナー(主にヨーロッパ人)が「アフリカ人の好みってこんなデザインだろう」「アフリカらしさってこんな色使いかね」と勝手に決めていたアフリカンプリントのデザインであるが、現在ではデザインや色使いについてアフリカ側から外部の生産地に向けて積極的・主体的な要求が出されるようになり、アフリカンプリントは名実共にアフリカを代表する布となってきた。

 20Cになってからアフリカに広まった安価なアフリカンプリント布は、それまで現地製の高価な手作り布には手を出せなかったアフリカの庶民の暮らし・文化(特に服飾文化)を大きく変えた。アフリカンファッションといってまず思い浮かべる、カラフルで大胆な模様の布を使ったドレスと頭に巻かれたとも布というアフリカ全土に広く見られるファッションスタイル。シャツに腰布というこれまたアフリカ全土で広く見られるスタイルのその腰布。バッグなどの小物。赤ん坊の背負い布。風呂敷代わりにと、現代ではアフリカを訪れてアフリカンプリントを目にしない日は無いというくらい生活の隅々にまでアフリカンプリントが使われている。遠くジャワで生まれヨーロッパで工業化されたアフリカンプリント布が、現在ではアフリカ・アジア・ヨーロッパなどで生産され、サハラ以南のアフリカの隅々にまで浸透し、アフリカを象徴する布となっていることは、外来のものも、自分たちの好みにあわせ変化させ、貪欲に取り込み自らの文化の一部とするアフリカの人々の力強さ、包容力の大きさを物語っている気がしてならない。
 アフリカンプリントのドレスに身を包んだフルベの少女(ニジェール

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〜パーニュ・チテンゲ(キテンゲ)・カンガ〜
アフリカ雑貨アザライ:アフリカンプリント アフリカンプリント布はおおむね西アフリカではパーニュ、東・南部アフリカではカンガ・キテンゲ(ザンビアではチテンゲ)と呼ばれている。パーニュ(腰巻という意味)、チテンゲはひとつのモチーフを連続してプリントしてあるデザインが多く、ケニア、タンザニアなどの東アフリカで多く用いられるカンガと呼ばれるアフリカンプリントは、布の縁の部分がフレーム状に染められその枠の中に大ぶりの模様がプリントされている。さらに特徴的なことに、枠内下部にはことわざなどがプリントされている。これはスワヒリ語でジナと呼ばれ、そのカンガを着る人から見る人への、贈る人から贈られる人へのメッセージとなることもある(例えば妻が浮気をとがめることわざをプリントしたカンガを着て、それを見た夫が謝罪のことわざがプリントされたカンガを妻に贈るとか)。

 アフリカンプリントの柄(模様)は初期にはジャワ更紗の模倣、やがてはアフリカ人の嗜好を取り入れたデザインとなり、その色も原色同士の派手な組み合わせが多くなっていった。そのモチーフは何万何千種類にもおよびとてもまとめ切れないがざっと思いつくだけでも、ジャワ更紗の文様をアレンジしたもの、動物、鳥、魚、草花、木、果物、農作物、日常の雑器、人体のパーツ、アフリカの伝統的な文様を取り入れたもの、アフリカ地図、国の地図、宗教的なモチーフ(イスラム・キリスト教が主)、肖像(特に政治家)など枚挙にいとまがないし、同じデザインでも色の組み合わせ(その多くは原色同士の派手な色の組み合わせが用いられている)を変えたりするのでほとんど無限といってもいい多様性を誇っている。

 この多様性と、アフリカの風景と人々の黒い肌によく映えるド派手な色使い。アフリカの人々の暮らしに密着したアフリカンプリント布は、何度も言うようだがアフリカを代表する布なのである。

〜ド派手な色の組み合わせと無数の模様。日々の暮らしに密着した
アフリカを代表する布・アフリカンプリントの世界へご案内します〜

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アフリカンプリント特集は2010年6月末日をもって終了しました。
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