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アフリカを代表する彫刻の名手バウレ人の双子の仮面。
Ndaと呼ばれる二色に塗り分けられたこのマスクは双子をあらわし、赤い面は女性を、黒い面は男性を象徴します。
高く結い上げた髪、伏せた目に通った鼻筋、顔面の瘢痕装飾などバウレの仮面の特徴がよく出た表情に、静謐な魅力をたたえています。 |
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バウレ:コートジボアールの主要民族のひとつ。彫刻の名手ぞろいのギニア湾岸諸国の諸民族の中でも芸術的に優れた民族として知られ、特に彫刻において非常に多様性に富んだ様式を持っている。なかでも円盤に角をつけたような形のゴリの仮面、眠たげな眼をした女性の仮面、精緻な浮き彫りを施した木の扉などがよく知られている。
バウレの彫刻はスーダンの彫刻とギニアの彫刻の折衷的な様式を持ち、細部まで緻密に彫り込んだ洗練された作品を多く生み出してきた(彫刻文化を持つほかの多くのアフリカの民族と違い、バウレ社会では彫刻師は世襲ではなく個人の意志によって選択される職業である)。また彫刻だけでなく、美しい絣布などの染織工芸、同地域で取れる金を使った精巧な金属工芸などでも知られている。 |
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